風の旅人
先月
じぃちゃんが
どこか遠いところに
旅にでました
誰も知らない場所へ
朝早く、蝉の鳴き声と共に
普段鳴りっぱなしでも気付きもしないアタシが
携帯の着信音で目が覚め
電話をとると
父の声
「じぃちゃん亡くなった。」
アタシは
信じられなくて
「嘘だ。嘘だ。」
と、連呼したまま
じぃちゃんが入院していたすぐ近くの病院へ向かいました
病室に入ると、父も母も
おじさんも、おばさんも従姉妹も集まってて
じぃちゃんが眠るベッドを囲んで皆、赤い目をしていた
それでも何故かまだ信じられずにいて
ゆっくり眠るじぃちゃんを視界に入れ
「じぃちゃん」
返事がない
いつもなら
神経質のじぃちゃんだから、一声で目を覚ますのに。
もう一度
「じぃちゃん」
やっぱりピクリとも動く事もない
瞬時に
電話での父の言葉が
よぎり
何度も、何度も
じぃちゃんと連呼しても
目をあけてくれない
動いてくれない
眠り続けるじぃちゃんをみて
「死」
を確認した瞬間
涙が止まらなくて
子供のように
声をあげて泣きじゃくりました
三日前に、
お見舞いに行って
おしゃべりして
二人でパンを食べて
次はじぃちゃんにお小遣いをあげにいつ行こうかな〜
って考えていたやさき
あまりにも突然の別れに
ショックや、
後悔
どこかまだ信じられないでいる
変な気持ち
今でもじぃちゃんを想うと涙がでます
理由は
アタシの
想いが届かない事
これからもっと孝行しなきゃと考えてたのに出来なかった初孫のアタシ
もう遅いけど
じぃちゃん
この想い届いてますか?
今じぃちゃんの素直じゃない短所をしっかり受け継いでるアタシが
今から素直な気持ちでメッセージをおくります
育ての親のじぃちゃん
じぃちゃんは
短気で怒りんぼうで
厳しくて
そして、お酒が大好きで
何でも知ってて
強くて
無敵で
不死身だと思ってた
じぃちゃんとの突然の別れをまだ受け入れられないのが本音です。
遊んだり
おこられたり
叩かれたり
笑いあったり
じぃちゃんとの思い出がいっぱいあります
その中で一番心に残ってるのが、
じぃちゃんが通うデイケアーの行事に
琉球舞踊を踊りに行った時、舞台からじぃちゃんが涙を流してるのを見た事が今でも忘れられません。
これから、家族、従姉妹
親戚一同
皆
それぞれの目標に向かって頑張ります
これからは
じぃちゃんの知ってる誰かが、辛い時、悲しい時、苦しい時、迷ってる時
風になって、背中を押してください
また
良いことをした時
目標を達成出来た時
風になって頭を撫でて下さい
風を感じたら
じぃちゃんを思い出します
そして
夏の風を感じたら
じぃちゃんの思い出話に花を咲かせたらと思います
恥ずかしくて口にできなかったけど
じぃちゃんが大好きです
今までありがとう
じぃちゃん
コウメより